幼児教育無償化の混乱!

幼保一体化か、幼保分離明確化か?

一言言いたい!そもそものダブルスタンダード解消が最優先では?

 

現在の議論がとても噛み合っていないと感じるのは、幼児教育に対する共通概念が無いからであるというのが、私論です。

現在、幼稚園は学校教育法、保育所は児童福祉法が設置根拠となっています。

それぞれの目標を関係法令・通達・指針等から眺めると次の通りです。

 

(1) 健康,安全で幸福な生活のための基本的な生
活習慣・態度を育て,健全な心身の基礎を培うよ
うにすること。
(2) 人への愛情や信頼感を育て,自立と協同の態
度及び道徳性の芽生えを培うようにすること。
(3) 自然などの身近な事象への興味や関心を育て,
それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを
培うようにすること。
(4) 日常生活の中で言葉への興味や関心を育て,
喜んで話したり,聞いたりする態度や言葉に対す
る感覚を養うようにすること。
(5) 多様な体験を通じて豊かな感性を育て,創造
性を豊かにするようにすること。
(幼稚園教育要領)

 

ア 十分に養護の行き届いた環境の下に,くつろ
いだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を適切に
満たし,生命の保持及び情緒の安定を図ること。
イ 健康,安全など生活に必要な基本的な習慣や
態度を養い,心身の健康の基礎を培うこと。
ウ 人との関わりの中で,人に対する愛情と信頼
感,そして人権を大切にする心を育てるととも
に,自主,協調の態度を養い,道徳性の芽生え
を培うこと。
エ 自然や社会の事象についての興味や関心を育
て,それらに対する豊かな心情や思考力の基礎
を培うこと。
オ 生活の中で,言葉への興味や関心を育て,喜
んで話したり,聞いたりする態度や豊かな言葉
を養うこと。
カ 様々な体験を通して,豊かな感性を育て,創
造性の芽生えを培うこと。
(保育所保育指針)

 

見ていただいた通り、どちらも双方の領域まで入り込んだ内容となっています。

もちろん、教育と保健衛生分野を切り離すことは、厳密には不可能とは思います。

これは、幼児教育に限ったことでなく、学校教育全体にわたって同じ傾向があるのが我が国の特徴なのです。

 

そうであるならば、今の保育所が持つ教育的な意義を文部科学省に集約し、代わりに今の幼稚園を含めた学校が持つ保健衛生分野を厚生労働省に集約すればいかがかと思います。

なぜなら、制度設計の目的を明確にする視点からすると、それぞれのサービスの質が担保されるべきと考えるからです。

 

もう一つの視点でいえば、質を担保したうえで全入にするという前提です。

そうした場合にどうなるかといえば、教育に関しては無償とし、保育に関しては有償にする部分ができるという点で、予算執行の線引きが明確に出来るのです。

これは、機会均等の担保という視点になります。

 

この方向性でロードマップを考えるなら、二つの省庁にまたがる事柄ゆえ、国家戦略特区制度で試行し、制度設計を官邸主導で行う方が理にかなっているかと思います。

ますます、幼保一体化と、幼保分離の論議は高まろうかと思いますが、幼児期という特性を考えるなら、一体化をどう推進するかの方が望ましいと思います。

 

なにしろ、今挙げた視点が無い、自称専門家やコメンテーターの上滑りの議論は聞き飽きました。

認可外保育所の無償化を認めるの、認めないのって、そもそも制度設計の見直し論がなぜ抜け落ちてしまっているのでしょうか?

 

識者といわれる方々に申し上げたいのは、どうしてもっとダイナミックに制度を変えるような、大きな話ができないのか?というここ点です。

日本の未来を託す人材育成を些末な議論で終始しないでいただきたいというのが、私の願いです。

 

日本の隅っこで、ブログ書いてる鍼灸師の愚痴でした。