鍼灸の歴史を紐解く上で、そもそもの歴史的背景は重要であろうということで読み始めたこの本。

近現代史において歴史を考えるとき、大東亜戦争が引き合いに出されることが多い。

 

私も今まではそこばかり考えてきたのだが、ある程度の日清・日露・2回の大戦についてわかってくると、次の疑問にあたってしまう。

すなわち、そもそも大東亜戦争に向かうことになった原因はどういった点にあったのだろうという疑問である。

 

現在も当たり前のように行われている教育が、歴史的勝者の作ったものであるといわれ始め、この歴史を修正する意図を持って研究を重ねる識者も出始めた。

今、明治維新に関する本が出版ブームで店頭に平積みされ、結構売れているという。この本はそのなかでも結構過激なほうかもしれない。

 

いわゆる、司馬遼太郎氏の描いた幕末観に染まった、我が国の半ば幻想とも言える歴史観に、楔を打つ辛辣な批判が書き綴ってあり、しかも冷静な視点も失っていないという点で一読に値する。

特に、NHK大河ドラマしか見ていない人は、一読されてはいかがだろう?

目からうろこが落ちる内容の連続である。