では、この自律神経は主にどのようなところで活躍するのか?
その役割はたくさんあり、内臓、筋肉、皮膚、血管など、全身の器官すべてといってもよい。
すべての器官を語りつくすのは大変だし、最もとらえやすいところで消化管を例にあげてみよう。
まずは、消化管の交感神経。
消化管において、交感神経は主に抑制的に働く。
脳から脊髄を通ってその臓器周辺の脊髄の高さから消化管に向かって枝が伸びる。
言ってみれば、階段が各階の廊下につながっているイメージである。
次に、消化管の副交感神経。
消化管において、副交感神経は促進的に働く。
脳から直接出た迷走神経が、消化管に沿って食道~胃~十二指腸~小腸~大腸の上行結腸まで支配し、仙骨から出た骨盤神経によって横行結腸~下行結腸~S字結腸~直腸~肛門を支配する。
つまり、頸のところと仙骨のところからのみの支配なので、命綱で上からぶら下がり、下から梯子をかけているイメージと言えばよいだろうか(わかりにくいか?)
二つの自律神経の出処でわかるとおり、交感神経においては、脊髄のある首~背中~腰~尾骨にいたる範囲、副交感神経においては特に頚と殿部の不調が、そのまま自律神経の不調に反映されることは容易に想像できるだろう。
また、いずれの個所も比較的コリや疲れの自覚しやすい部分ではなかろうか?(その3に続く)