歩行時の腕の振り方で変化があるとすれば、まずは首や肩が楽になるという点であろう。
もともと日本人の歩き方は、肩峰が動かない歩き方であった。
これは、きもの文化の影響が大きく、襟が乱れないように、袖が暴れないように歩いていたはずである。頚の筋肉は自由に動けず、半ば硬直した感じで動くことを余儀なくされていた。
ノルディックウォーキングを行うことにより、後ろまで押すような動作を練習していくと、しまいにはポールを持たないときも同じような腕振りが出来上がっていく。
表面的には、胸鎖乳突筋が収縮している様子がわかるようになる。
目にはみえないが、筋の収縮は深層筋まで及んでおり、今まで硬直するような使い方だったのが収縮した使い方に変わる。
このことが、身体の何処へ影響を与える可能性があるかと言うと、例えば次のとおりである。
頚の筋肉である頸最長筋は何と仙骨までつながっている。→背中全体のコリがとれるかも?
上肢帯の神経は頚部の前斜角筋と中斜角筋の間から出ている。→腕のしびれがとれるかも?
脳から出た迷走神経は頚を通過して消化管をまとうようにしながら大腸の上行結腸までを支配する。→胃の不調が改善するかも?
という具合である。
このように頚を治すということは、身体の大部分を治すことにつながるのである。
すなわち、腕の振り方ひとつを変えることで、体調を改善できる可能性すら持っているのである。
これは、きもの文化の影響が大きく、襟が乱れないように、袖が暴れないように歩いていたはずである。頚の筋肉は自由に動けず、半ば硬直した感じで動くことを余儀なくされていた。
の段ですが、お詫びして訂正しなければなりません。
江戸期の人々は、むしろ肩を動かして歩いていたようです。
明治期の教育によって肩の硬直が生まれたものと現在は考えております。